ちとせの先生たちわたしたちの想い
考え、問い続けることが、
保育者としての正しいあり方
ちとせは保育の方針において「自律性」「考えさせるを考える」といったキーワードを掲げています。
なぜ、このようなメッセージを掲げているのでしょうか。ちとせ交友会理事長にその想いを伺いました。
ちとせでは、「自律性」「考えさせるを考える」を育む保育を大切にしていますが、その背景にはどのような想いがあるのでしょうか。
これまでの保育や学校教育は、学んだことを覚え、それを再現する力が求められていました。しかし今は、正解のない時代です。「これを覚えなさい」「言われた通りにやりなさい」というこれまでの教育の常識では、これからの時代を生き抜くことができないと考えました。子どもたちが自らの人生を切り拓いていくためには、自ら考え、壁を乗り越える力を身につけていかないといけない。このような想いを抱きながら、現在のちとせの保育を形にしてきました。現場のコミュニケーションは常に変化し、改革されていくものですが、中心にある考え方は今後も変わりません。
しかし、想いを体現する保育プログラムを作っても、現場の先生や職員に浸透させていくことは大変だと思います。浸透や実践について、どのように考えていますか。
おっしゃる通り、法人が拡大する中で、すべての園において同じ考え方・理念を共有するには大変なものがあります。
そこでちとせでは、定期的に全体の研修とエリアごとの研修を設け、そこで理念の浸透、また実践的な内容や経験談を話し合っています。
コロナ禍で、WEB会議が浸透し、内容の濃い研修をシステム化できました。
当たり前と言えば当たり前ですが、すべての保育者が「もっと良い園にしたい」という思いを持っています。そういった思いがある上で、ちとせはどんな園を目指すべきか、それを実現するためにどのような保育を実践すればいいかを考えていく。方針についてはトップから提示しますが、それをどう実践に結びつけるかは、保育者一人ひとりの役割。<考えさせるを、考える。>は、子どもだけでなく、先生や職員に対するメッセージでもあるのです。
保育は労働集約型の仕事のため、求める保育を実現するには現場の保育者が力をつけていかなければなりません。現在、法人は拡大していますが、質・量ともに高いレベルの保育を実現していくために、高い志を持った方々を採用し、育成することが大切だと考えています。
今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
引き続き、法人全体の保育の質をあげていきたいと考えています。先ほど、「正解のない時代」というお話をしましたが、保育こそ正解がありません。新しい理論や方法は常に生まれていますし、「これでいいのか」「もっとこうした方がいいんじゃないか」と、保育に携わる保育者自らが、日頃から問い続けていかなければいけないと考えています。
研修などを行いながらも、園長をはじめとした先生、職員の一人ひとりが、常に保育とは何かを考え模索することで、全体の質を上げていく。そのような組織にしていきたいと考えています。
社会福祉法人ちとせ交友会 理事長 山口 哲史
ちとせ交友会理事長・山口哲史のインタビュー映像を『KENJA GLOBAL』のサイトからご覧になれます。