ちとせの先生たちわたしたちの想い
自律性を育む経験を、
たくさんしてほしい
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谷岡 月 先生
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藤岡 麻里 先生
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旭洋 子 先生
<考えさせるを、考える。>を方針に掲げる、ちとせの保育。
現場の先生はどのような点を大切にしながら、日々子どもと向き合っているのでしょうか。
現場ではどのような点を意識して、子どもと接しているのでしょうか。
谷岡先生
私は3歳児のクラスを担当しています。このくらいの年齢になると交流が活発になる分、誰々が押したとか、喧嘩が頻繁に起き始めるのですが、話を聞くとどちらにも言い分はある。お互いの意見を聞き、どちらも否定せず肯定することを意識しています。
当人には、当人なりの理由があるのですね。
谷岡先生
はい。例えば押したことで喧嘩になったのなら、押した本人に「こうされたら相手はどんな気持ちになると思う?」と聞くと、「いやな気持ちがすると思う」と答える。相手の気持ちが理解できてるんですね。
そういったことを一つひとつ整理しながらも、当人同士で話し合って解決していくことを大事にしています。もちろん私も、だめなところはだめと叱りますが、本人の自主性と叱った後のケアをとても大切にしています。
藤岡先生
大人が対処しようとすると、本当に押したのか押してないのか、押したならどれだけ強く押したのかとか、事実関係にフォーカスして結論を出してしまいがちです。しかし、どんなことにも前後関係やそれに至った背景がある。子どもたちが何を思い、考え、どう行動したのか。そういったお互いの話をしっかりと聞き理解した上で、当人同士で解決できるように仲立ちすることを意識しています。
もっと下の年齢の子を見るときには、どのような点を意識していますか。
藤岡先生
私は0歳児を担当しているのですが、0歳児でも園生活が始まって3〜4ヶ月くらい経つと、少しずつ自我が芽生えてきます。トイレトレーニングなども始まるのですが、うまくできた時には、「すごーい!」って褒めてあげる。そうすると、手をたたいてニコニコ笑うんです。どこまで理解しているかはわかりませんが、「何やらいい雰囲気だ」「何かいいことが起こってるんだ」と、感じるものがあるんだと思います。だから、しっかりと子どもの表情や姿を見ながら、褒めることを大切にしています。
そういったところから、自信や自律性がついていくのですね。
藤岡先生
もちろん0歳児なので、自分でできることは多くはありません。でも、本人も満足感や楽しさといった感情をきっと感じているし、見えない部分で後々の自信につながっていくのではないでしょうか。どんなに小さくても、感じたり考えたりすることがあると思うと、子どもってすごいなと思います。
子どもと接する中で、先生自身が気付かされることってありますか。
旭先生
たくさんあります。ちとせは、先生も子どもも「自ら考える」という姿勢をとても大事にしていますが、ちとせで働くようになってから、私は「自分で考えて物事を決める」ことがすごく苦手なんだって改めて気付かされました。
大きな気づきですね。
旭先生
「自分で考えて物事を決める」って、言葉で言うのは簡単ですが、その力を育むことはすごく難しい。ちとせは自律性を大切にしていますが、「自律ってなんだろう」「どうしたら自律性が育つだろう」と、自身の保育や勉強会を通してより考えるようになりました。そしてその中で、自律には責任がともなっていくことに気付きました。
幼少期から少しずつ自分で考え、決めて行動していく経験を積み重ねていかないと、大人になってすぐにそういうことができるようにならないものです。